研究誌『松本清張研究』第21号
松本清張が東京に居を移し、作家として活躍の場を広げていった1960年代、日本は高度経済成長期のただなかにありました。清張はこの時期の東京を多くの作品で舞台に選んでいます。それらの作品は時を越えて、私たちに都市の変貌、時代の変化を伝えてくれます。
今号は「清張と東京」を特集テーマとし、現在だから見いだせる価値を考えたいと思います。
(2020 年3 月31 日発行)
特集 清張と東京
論文
・清張史観から見た日本の真相/中尾茂夫
座談会
・清張が描き出した<東京>/阿刀田高・山本一力・山田有策・藤井康栄
論文
・清張文学の土壌――地方・人――/松本常彦
・通勤する女たち/赤塚隆二
・清張と下関/中川里志
座談会
・これからの文学館のかたち/ロバート キャンベル・十重田裕一・藤井康栄
エッセイ
・清張先生にもらったお小遣い/木俣正剛
・口伝――砂の器――/米粒写経
記念館研究ノート
・松本清張と愛蘭土文学、ケルト文化/栁原暁子