研究誌『松本清張研究』第3号
松本清張は推理小説、歴史小説、近現代史、古代史、ノンフィクションなど多岐にわたる文学ジャンルにおいて、作品を書きつづけ、多くの読者に支持されたが、その創作活動の多様さ、裾野の広さから容易に全貌が見渡せず、未だ十分に研究が進んでいない状況にあります。
『松本清張研究』は、全国の第一線研究者を網羅し、さらなる研究の推進と後継者の育成をめざして、年一回、記念館で発行する研究誌です。
特集 清張文学と旅
・過去への旅 ―― 清張ミステリーの原点 /山田有策
座談会
・清張流「旅はひとりがいい」/宮部みゆき・川本三郎・半藤一利
論文
・『半生の記』に描かれた旅 /平岡敏夫
・死の彼方までの旅――『砂漠の塩』論――/天沢退二郎
・初老の憧憬、もう一人のゴーガン――「駅路」論――/花田俊典
・清張文学における「旅」 ――『砂の器』の記号論――/仲正昌樹
・清張・初期作品における「旅」 /赤塚正幸
・旅の時間の松本清張 /宮田毬栄
再録
・旅のエッセイ 雑誌 「旅」より
ひとり旅・時刻表と絵葉書と・耶馬渓から水郷日田へ /松本清張
取材日記
・初公開 ヨーロッパ『草の径』取材日記 /松本清張
『草の径』取材随行者座談会
・「あの旅行は楽しかったね」 /藤井康栄・岡崎満義・田中光子
エッセイ
・『火の路』の旅Ⅱ/高橋和夫
論文
・清張ミステリーと女性読者――女性誌との連携を軸として―― /藤井淑禎