研究誌『松本清張研究』第18号
18号の特集テーマは「清張と鉄道」です。初期のヒット作「点と線」から最晩年の「神々の乱心」まで、清張は多くの作品で鉄道を走らせました。
原武史氏と酒井順子氏の〝鉄心〟溢れる対談を筆頭に、論文、エッセイなどで、清張作品の魅力を「鉄道」をキーワードに多面的にお伝えします。
(2017年3月31日発行)
特集 清張と鉄道
対談
・行間を鉄道が走る――清張作品時間旅行/原武史・酒井順子
論文
・清張ミステリーと中国・九州地方の鉄道/綾目広治
・推理小説の中の通勤電車/仲正昌樹
・松本清張「従軍期」の鉄道――朝鮮の車窓と沿線風景/南富鎮
・「ヤングレディ」の旅――松本清張『殺人行おくのほそ道』と女性週刊誌/久保田裕子
・「旅」と「点と線」/松本常彦
・旅と鉄道と影の映像――清張「顔」をめぐって――/山田有策
エッセイ
・列車に乗る子供たち/赤塚隆二
・「小倉発」わが絵人生のはじまり……/田中時彦
・越境者の覚悟/森達也
再録
・「時刻表」 松本清張
投稿
・『象徴の設計』小考――松本清張のみた「軍人勅諭」における命令の拘束性――/多田康廣
・無力化された真相の先に
――松本清張「霧の旗」に見る更新されない日常の正体――/鶴田武志
記念館研究ノート
・消えた男をめぐって――松本清張と村上春樹/柳原暁子