研究誌『松本清張研究』第11号
「神々の乱心」は、宗教・宮中・現代史・考古学──清張の問題意識が凝縮されています。
各分野の専門家がそれぞれの切り口で挑んだ論文で、新たな魅力をお伝えします。
多彩なエッセイにもご期待ください。
特集 『神々の乱心』の背景―― 未完の遺作を解読する
特別対談
・二大聖域 ── 宗教と宮中── に迫る渾身の遺作を読む
/原武史、福田和也、藤井康栄(特別参加)
論文
・「天皇制」の歴史的深層へ/小森陽一
・『神々の乱心』と大本教/井上順孝
・異形の神政── 昭和十一年、島津治子元女官長事件/能澤壽彦
・松本清張の新興宗教観/綾目広治
・『神々の乱心』と「奥」の世界/小田部雄次
・『神々の乱心』と満蒙阿片/西木正明
・『神々の乱心』にみる考古学と食文化/森浩一
・『神々の乱心』創作ノートが物語ること
エッセイ 私のなかの松本清張
・「史疑」の絆/上田正昭
・額に入れた帯文/林真理子
・『火の路』/松岡正剛
・電車のなかの「偶然の一瞬」/酒井順子
・和歌への心寄せ/栗木京子
・Mさんのこと/梯久美子
・『黒い空』の謎/千街晶之
・私の「点と線」/宇田川清江
・あなたは『わるいやつら』を二度読む/牧村一人
・『黒い福音』を読み解く/佐藤優
記念館研究ノート
・「或る『小倉日記』伝」── その底流にあるもの/柳原暁子
・『点と線』新潮文庫と文春文庫/西本衛