研究誌『松本清張研究』第2号

松本清張は推理小説、歴史小説、近現代史、古代史、ノンフィクションなど多岐にわたる文学ジャンルにおいて、作品を書きつづけ、多くの読者に支持されたが、その創作活動の多様さ、裾野の広さから容易に全貌が見渡せず、未だ十分に研究が進んでいない状況にあります。
『松本清張研究』は、全国の第一線研究者を網羅し、さらなる研究の推進と後継者の育成をめざして、年一回、記念館で発行する研究誌です。

特集 松本清張と菊池寛

・大正時代の小倉と清張 /小林安司

座談会
・松本清張と菊池寛 /井上ひさし・平岡敏夫  [司会] 山田有策

論文
・ミステリーの自覚 ―― 菊池・芥川の地層と清張―― /藤井淑禎
・『形影 菊池寛と佐佐木茂索』論 ―― 人間的興味の小説―― /片山宏行
・反制度の継承 ―― 松本清張と菊池寛の「メディア」と「読者」 /小笠原賢二
・『小説研究十六講』から『小説研究十六講』へ
―― 菊池寛・木村毅・松本清張―― /石川巧

講演再録
・菊池寛の文学/松本清張

論文
・『神々の乱心』論 ―― 「未完」の魔界譚として――/天沢退二郎
・松本清張は「最高のホラー作家」か?
―― 「解決不可能性」の時代がもたらしたもの/高橋敏夫
・清張と歴史教育 ――『落差』のアクチュアリティー/仲正昌樹
・松本清張と文壇 ――大岡昇平の「松本清張批評」をめぐって――/曾根博義
・松本清張の短編技法/木股知史
・松本清張の仮想敵 ――全集「日本の文学」をめぐって/宮田毬栄
・すぐれた戦後文学 ―― 『黒い福音』を再読して/飯島耕一
・「哲学館事件」(『小説東京帝国大学』)解読にみる清張の視座と葛藤
―― <史的事実の叙述>と<想像による描写>のはざまで――/衞藤吉則

エッセイ
・『火の路』の旅 Ⅰ /高橋和夫

記念館研究ノート
・『点と線』 ―― ノンフィクションへのプロローグ /藤澤隆文
・<資料研究>「点と線」(原稿・雑誌・単行本・全集)の校異について/中川里志
・企画展「清張文学の土壌 ―― 大正期の小倉」を終えて/林暁子

松本清張記念館研究誌  『松本清張研究』第二号発行
『松本清張研究』第二号

Previous article

研究誌『松本清張研究』創刊号

Next article

研究誌『松本清張研究』第3号