研究誌『松本清張研究』第6号
松本清張は推理小説、歴史小説、近現代史、古代史、ノンフィクションなど多岐にわたる文学ジャンルにおいて、作品を書きつづけ、多くの読者に支持されたが、その創作活動の多様さ、裾野の広さから容易に全貌が見渡せず、未だ十分に研究が進んでいない状況にあります。
『松本清張研究』は、全国の第一線研究者を網羅し、さらなる研究の推進と後継者の育成をめざして、年一回、記念館で発行する研究誌です。
特集 清張古代史の軌跡と現在
・ 飛鳥の石造遺物と斉明天皇 ―― 酒船石遺跡と益田岩船 ――/直木孝次郎
対談
・清張古代史の現在を再検証する
――邪馬台国論と『火の路』を中心に――/門脇禎二・森浩一
論文
・松本清張の古代史研究/上田正昭
・松本清張の邪馬台国論/岡本健一
・『火の路』検証/山口博
・「石の骨」の虚実/春成秀爾
グラビア
・松本清張所蔵の古鏡/藤丸詔八郎
・松本清張所蔵の銅鐸/難波洋三
作品論
・「断碑」論――藤森栄一『森本六爾伝』と共に――/平岡敏夫
・比喩としての翡翠――松本清張『万葉翡翠』をよむ――/中西進
・古代史の薪は二度燃え上がる――「陸行水行」の成立と展開――/郷原宏
・仮説を語る小説――「東経139度線」――/綾目広治
・麦の種が落ちたのは何のためか――「火神被殺」論――/天沢退二郎
・眩人の周辺/陳舜臣
松本清張記念館古代史シンポジウム
・蘇我氏――逆賊の実像を探る――
/辰巳和弘・亀井輝一郎・平林章仁・加藤謙吉 <司会>水谷千秋
・蘇我氏と日本の古代――『日本書紀』の記載の検討――/水谷千秋
・清張古代史の軌跡 ―― 関連作品・記事・著書目録